丹野賢一/NUMBERING MACHINE+石川雷太
「026-METAL」に関して

昨日、10月9日の「026-METAL」は栗東芸術文化会館さきら側により中止させられました。
本日、10月10日の公演は予定通り行います。

我々としては、さきらが集めた公募スタッフも含めた全員が昨日(9日)の公演の実現を望み、ギリギリまで交渉を重ねましたが、それは拒絶されました。

さきら側が中止を強行した理由は、近隣のマンション住民から音がうるさいという苦情があったからというものです。
音量については、さきらの担当プロデューサーは我々の公演を何度も見ていますし、事前に必要な機材も提出していますから、想像が可能なものであり、さきらの了解も得た上で公演を決定しています。
さきら側は台風による中止と発表しましたが、これは全くの捏造であり、事実を隠蔽しようとする行為です。
たまたま接近していた台風を利用し、問題をうやむやにしようとしています。
事実、交渉の最中もすぐに台風の話題を持ち出し、議題をすりかえてきます。

10月8日の時点でさきらは、公演は10日のみにするという通達をしてきました。当然納得出来るものではありません。
この交渉がまだ纏まっていない時点で、さきら側はマンション住民に中止のビラを撒き、問合せをしてこられた観客の方にも中止と告げ、連絡可能な観客、関係者へ同様の電話をし、「8日、9日は台風の為中止」という看板を製作、さきら及び最寄り駅の栗東駅に掲示するという暴挙を行っていました。(看板は気付いた時点で撤去させました。)
開演時間が刻々と迫る中、8日の公演を何とか実現する為の交渉は続き、この日はリハーサルという名目で本番同様の公演をし、御来場してくださった方々に無料で見て頂くというのが精一杯でした。勿論我々としては本公演と何ら変わらない公演でした。

翌9日もギリギリまで交渉を続けましたが、この日の中止に関してはさきらは譲る事はありませんでした。
当日来る観客に対する責任は無いのか?という問いにも、イベントの中止などは良くある話なのだから、来てしまった人を帰すのは問題ないと言い出す始末です。
但し、さきらの中にも我々の公演をサポートして下さるスタッフは何人も存在しています。にも関わらず今回のような事態が招かれています。


マンションの管理組合の方とも話させて頂きましたが、彼等の方が寧ろ理解をしてくれました。しかし、住民に伝達してしまった事項を今から変える事は難しいという結論は翻りませんでした。
但し、我々の印象としては、マンションの住人の中にも公演を楽しみにしてくれている人も確実にいらっしゃいます。

この日の公演が難しくなった時点で、我々はさきらが募集した公募スタッフを含めたほぼ全員でミーティングを持ちました。
さきら側の了承を取らないゲリラ的な公演、例えば音楽や照明の電源を切られるような事態となったとしても、本日の公演を行なうべきではとの意見も出ましたし、私自身一時はその方向へ傾きもしました。
しかし、その場合もあらゆる実力行使は考えられ、公演は途中否開始早々中断させられる可能性は高く、またその事は今回の公募スタッフを含めた多くの人間が長期に関わった作品を、完全な形で見せる唯一の機会である10日という日を失う事を意味していました。
この時、我々は何らかの形でも9、10日の両日共に公演を行うという希望は閉ざされました。
全員がこの日の上演を希望しているにも関わらず、断腸の思いで本日の公演を諦めました。
我々の公演の為にお越し頂いた方々には、本来の開演時間であった19時30分から展示室にて説明の機会を設けさせて頂き、またライトアップした公演会場である野外美術装置内への入場もして頂き、観客を含めた話し合いの時間を作りました。

展示室での説明の際、以下の文を私から読み上げました。


丹野賢一/NUMBERING MACHINE + 石川雷太
さきら5thアニバーサリー『さきらフェスティバル』 地域滞在協働創造型プロジェクト
『026-METAL』 ご来場の皆様へ

本日10月9日の「026-METAL」は、さきら側により中止させられる事となりました。
我々としては、さきらが集めた公募スタッフも含めた全員でギリギリまで本日の公演のに実現に向け、努力とミーティングを重ねましたが、それは拒絶されました。

さきら側の了承を取らないゲリラ的な公演、例えば音楽や照明の電源を切られるような事態となったとしても、本日の公演を行なうべきではとの議論にもなりましたが、その事は今回の公募スタッフを含めた多くの人間が関わった作品を、完全な形で見せる唯一の機会である明日という日を失う事を意味します。断腸の思いで、本日の公演の可能性を破棄する事に致しました。明日、10月10日は予定通り公演を行ないます。

今日、我々の公演を期待してお越し頂いた方々には、本来の開演時間であった19時30分から展示室にて説明の機会を設けさせて頂き、また公演会場である野外美術装置内への入場もして頂きたいと考えております。

詳細は、その際に説明させて頂きます。
インターネットなどで情報が錯綜していますので、一点だけ話しますと、台風による中止という情報は、さきら側が捏造したものであり、実際には昨日も公演を行なっております。

2004年10月9日

丹野賢一


この文を書面にし、集まって頂いた方々にお渡ししようとすると、まずは文面にクレームが入り、挙げ句には書面を渡したならば、明日は中止させるとの意向を一方的にさきら側は伝えてきました。
対外的に台風による中止という言い分は譲れないという事と、8日が公演であるという表現は絶対に許さないという訳です。

情報を早急に開示出来ず、またさきらが交渉の裏で行っていた事の把握も不十分で、観客の方々に混乱や御迷惑をお掛けした事、お詫び致します。
またこの公式サイトに何ら情報を載せないのに、他のサイトに先に書き込みをしてしまうなど、我々のスタッフの不手際についても、重ねてお詫び致します。

お詫びをした上で、連日ギリギリ迄交渉を続けていて結論が中々出せなかった事、そして何より昨日までの段階で詳細を公開した場合、今日10日の公演を潰される危険が強くあった事をお伝えさせて頂きます。
観客の方々へ迅速な決定事項をお伝えする為に、結論を急ぐべきなのは重々承知しているのですが、丹野賢一/NUMBERING MACHINEのみならず、近隣及び近県からの公募スタッフも含めたこの企画、何とかギリギリまで公演の実現の為に動く事を私は選択致しました。

まだ、本日の本番が残っています。今我々はその事に力を傾けさせて頂きたく思っております。


2004年10月10日

丹野賢一