平成17年3月16日

丹野賢一/ NUMBERRING MACHINE(※スペルまま)
代表 丹野賢一 様

財団法人栗東市文化体育振興事業団  
理事長  中野友秋(直筆署名、印鑑)

栗東芸術文化会館さきら       
   館長   森谷尅久(直筆署名、印鑑)
副館長  仙石龍岳(直筆署名、印鑑)
事務長  谷口誠一(直筆署名、印鑑)
事業係長 吉川素子(直筆署名、印鑑)
主査   山本達也(直筆署名、印鑑)

「026-METAL」 公演に伴う説明について(回答)

   ひと雨ごとに暖かさの増す今日この頃、貴殿におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 過日開催いたしました標記公演におきましては、格別なるご尽力いただきましてありがとうございました。
 さて、平成17年2月4日付で送付のあった公開質問状について、下記の通り回答いたします。


1、「騙し討ち的に.....」とあるが、10月7日の標記公演リハーサルにおいて、リハーサル制限時間を貴方方にお願いしていたにもかかわらず、厳守いただけなかったことに端を発した近隣住民の音に関する苦情、台風の近畿地方への接近という気象情報から判断し、貴方方の制作担当者との協議(下記の(1)〜(4)の通り)を経て二公演の中止を発表したものである。
 予期しなかった大型台風の接近とその進路にあたり極めて危険度が高い気象情報に鑑み、遠方からのお客様に対する配慮から早期に中止という判断をした。
 このころ、市内では、屋外で予定されていた「健康ひろば」をはじめ滋賀県内で開催予定であった「大津祭」、三重県鈴鹿市で開催予定の「F1日本グランプリ」も延期されている。
(1)、10月8日午前9時頃、台風の進路を踏まえ、本番をどうするか、代表者(山口佳子、松本美波、村瀬満佐夫3氏)と協議を行い、8日、9日の公演は中止を決定した。
(2)、仙石副館長が「あなた達が代表ですか」との質問に、自己紹介を兼ねて「丹野に代わっての代表です」と答えた。さきらの要望(8日、9日は台風により中止)を決定後、8日リハーサル、10日本番のスケジュールを出してほしい旨を伝えた。代表3名は「丹野がさきら入りしてから報告します。」とのことで、報告は午前10時にと約束し、解散した。
(3)、約束の時間を大幅に超過、さきらからの催促で午前11時頃から前出3氏と上田茂氏を加えた4氏がスケジュールを持参し、10月8日、9日を本番同様のリハーサルを実施したいと希望した。両者協議の上、10月8日リハーサル、10月10日本番1回とすることで決定する。
(4)、前述三の協議中、周辺マンションに配布するチラシの原稿を松本、山口、村瀬、上田4氏名にみせる。上田、村瀬両氏が中心に確認され、「わかりました」と答えたので、チラシのコピー2枚を渡し、解散した。さきらは、協議完了と判断し、チラシを配布した。

2、公演中止にあたっては、貴方方の制作担当者等との協議を経て決定している。契約内容については、誠実に履行している。

3、台風の進路状況により中止決定したことは事実であり、遠方から来場されるお客様に中止の情報をいち早く届ける義務、責務があると考え、さきらHP、会場入口の立看板により周知したものである。当初は「台風」しか掲載していなかったが、後刻「諸事情」に変更している。(1)ー(4)で述べたとおり代表者(松本氏、山口氏、村瀬氏)に配布用チラシを確認していただいたのち、近隣住民には、「音量」と「台風」ということで、さきらスタッフが1軒づつ出向き、書面と口頭にて音量のお詫びと開催協力のお願いをしている。何ら観客、近隣住民を騙し冒涜する行為ではない。

4、8日の自治会への説明の際、10日の公演実施の代償として8日、9日を中止するようなニュアンスで話が伝わったのかもしれませんが、それがアーティストの希望だとして伝えたり、伝わったりした事実はない。

5、10月8日の夕方にさきらスタッフが音量のお詫びと10日一公演への開催協力のお願いをしている。さきらとしての責務から出た言葉である。10月9日には、貴方方の思いを近隣マンションの「ウイングビュー自治会」の役員さんに伝えるため、マンション内の会議室で、松本氏、さきらの山本を交えて交渉をもった。

6、前述したように、貴方方の思いは全て役員さんに伝えた。役員さんからの回答は「住民にも10月10日一公演と説明したあとであるから、それを覆すことはできない」とのことであった。その代わりにアーティストの「代表者からお話を聞こう」ということになり、その場を設定した。

7、想定していた音量並びに地域住民の苦情を含めた反響の大きさに対応することができなかったことが原因である。「一方的な中止を強行・・・」とあるが、一方的ではなく、貴方方の制作担当者と協議を経た結果である。

8、METAL公演の中止に伴い、観ることができなかったお客様には事情を説明し、ご了解を得た。なお、この内容(音量)を苦痛に感じ、切実な思いで生活されていた住民や子どもが発狂してしまいそうな家庭もあったことも知ってほしい。

9、地域住民とさきらが約束し我慢をお願いしてきた稽古終了時間を10月7日に守れなかった時点で、それまで対応してきた苦情に対する返答内容についても言い訳ができない状況となった。数名の自治会役員さんがリハーサルを阻止する行動にまで出られたことで、住民の方々の意見を最大限尊重する方向を探す必要があった。住民の方々が公演の中止を要求をしたのではありません。「音を小さくする」「時間を短くする」「公演日を減らす」等の納得できる改善策求められた。「音を小さくする」「時間を短くする」が困難な場合、公演を一部中止もいたしかたないとさきらの職員のほぼ全員が覚悟した。それまでの準備やアーティスト.参加者の思い、観客のことも考え、一公演だけでも実施されるべきだとの方向が出、副館長に報告した後、アーティストとの相談のため、谷口事務長と山本が宿舎を訪問した。
 公演中止にかかる方向性の決定は、さきらを管理運営する財団法人栗東市文化体育振興事業団の幹部との意見調整により決定した。

10、さきらHPは、公演当日になると当日の案内が削除されるシステムになっているため削除された。

11、1で記述したが、台風接近のため、お客様はじめ関係者の人命尊重の視点から発言されたことであり、冒涜ではない。アートの観客を鑑みない冒涜する発言と解釈されるのは遺憾である。

12、貴方方の配付物の内容については、さきら側の責任も大いにあると考えた。その時点では、すでに協議経過に関する解釈の相違も表れており、新たな誤解を招くような表現部分について訂正、変更を求めたものである。

13、機材の調整協議については、さきらの舞台担当者と舞台監督.村瀬氏との間で、具体的な設備、備品等を含む企画内容が全く未定の時期に、また、他ホールでどれだけ使用するかも決定していない時期に、出せる可能性がある機材としてお知らせした程度のものと認識している。その後、実際のプランが出てきたのは9月の滞在が始まってからであり、時間がない中での対処として十分といえないながらも照明機材については誠意をもって対応した。
 苦情については、さきらの責任として誠意を持って対応した。

14、さきら公募スタッフについての説明が数ヶ月できていないことについては、後日、文書にしてさきらから送付する予定である。